株式会社ミスズの創業オーナーである代表取締役からの依頼により、全株式をプリント基板及びプリント基板検査装置の開発・販売の大手企業であるシライ電子工業株式会社に譲渡しました。
ミスズは、1960年代にカメラ用の露光部分の電子制御を行う部品開発・製造業として創業されました。当初はカーボン抵抗を利用した部品でしたが、その後ニッケル薄膜を利用したより精度の高い抵抗部品の製造を行うようになりました。抵抗値を細かく可変させるためには、ニッケルの線幅をコントロールする技術に磨きを掛ける必要がありましたが、これの技術を応用することで、現在の精密基板の製造ができるようになりました。最初の製品は、1990年代に発光ダイオードを載せる電極基板を自動車部品メーカー向けに提供を開始し、現在まで一貫して某大手自動車メーカーの全車種に搭載されています。この電極基板技術を発展させて、受発光用の半導体素子のチップオンボード基板を開発、また近年では携帯電話の液晶バックライトとして用いられるLED基板や今後の市場拡大が期待されるブルーレイ用基板の製造も開発し、大手メーカーに安定して納入を行っており、この分野では国内有数の開発・製造企業に成長いたしました。
同社の創業者でオーナー社長は、60才台後半になりましたが、社内に事業を承継できる後継者がいないこと、以前外資系バイアウトファンドから経営譲受の提案があったものの条件面で合意にいたらなかったことなどから、事業会社への経営権の譲渡による事業承継を決意し、弊社に相談がありました。
弊社では、ミスズの製造工場を訪問し、製造工程やこれまでの製品を評価し、今後チップオンボード、LED基板の分野に事業展開をはかりそうな企業をリストアップしました。さらに個々のプリント基板の事業会社の状況を分析した結果、連結子会社がミスズの工場の近隣に位置しており、いろんな面での事業シナジーが得やすいことが判明し、全株式の譲受をシライ電子工業にご提案させていただきました。同社は、株式取得の検討に際しメインバンクのアドバイザリー部門を指名し、また公認会計士や弁護士に依頼し検討を加えた結果、2008年3月に「株式譲渡契約書」を締結し、4月に全株式の譲渡が実行されました。シライ電子工業にとって、ジャスダック上場後はじめてのM&Aでした。同社は、成長市場かつ高付加価値分野であるモジュール基板分野への進出をM&Aにより一気に実現することとなりました。2009年には中国での新鋭工場の稼動も予定されており、一層の成長が期待されます。

